遺産分割協議がうまくいかず、申告期限がギリギリになってしまった事例
ご相談時の状況
旦那様がお亡くなりになられたAさん(専業主婦)。法定相続人は、被相続人の配偶者であるAさんと、息子、娘(静岡県在住)がいます。
旦那様のご資産として、自宅と預貯金を考えると、相続税がかかることがわかっていましたが、「お父さんの財産は私のものでもあるんだから、遺産の分割方法も私が決めるわ!長女も長男も、何も言わないでしょう。」と手続きを先延ばしにしてしまいました。
いざ、遺産分割協議を始めてみると、普段はAさんに口出しを一切しない長男が急に、「母さんのもしもの時の為に、二次相続も考えて相続したいんだ、だからすぐには認められないよ」といいだしました。どうやら、長男のお嫁さんがAさんの提案した分割方法に不満をもっているようです。
さらに、三重県に嫁いだ長女は、働いているので、法定相続人が全員そろった遺産分割協議は日程をきめることも一苦労でした。
ご相談内容
遺産をどのように相続するか、話し合いがまだ終わっていないにもかかわらず、申告期限まで3週間前となってしまいました。相続税の申告期限は延長できますか?
ご提案
遺産分割協議でどのように遺族が遺産を分割するか決まっていなかったとしても、相続の開始があったことを知った日の翌日から10ヶ月以内に申告書を提出し、税金を支払わなければなりません。
今回の場合は、未分割で各相続人の方が法定相続分で財産を取得したものとして相続税を計算、申告と納税をすることになりました。仮の申告で相続税を納めていただくのです。
3年以内に遺産分割協議がまとまれば、配偶者の税額軽減や、小規模宅地の優遇処置は使うことができます。さらに、仮に払った納税額が過大であった場合には、還付されますのでご安心ください。