取引相場のない株式の評価の見直し
取引相場のない株式の評価の見直し
上場会社の株価の急激な変動が、中小企業の事業承継に支障をきたすことなく、中小企業等の実力を適切に反映した評価となるよう、取引相場のない株式の評価方法について見直すこととなりました。
今回の改正は類似業種比準方式により評価する株式に関するものです。
類似業種比準方式は上場されている類似業種の会社の株価から比準して算定する方法です。
この類似業種比準価額を使って評価をするのは、同族株主と呼ばれる株式の所有者が会社の経営に影響力を及ぼすことができる株主です。
したがって、改正の影響を受ける方は類似業種比準方式を使って評価する同族株主であり、会社に対する支配力を持たない株主には影響がありません。
類似業種の株価の見直し
① 類似業種の株価について、現行に課税時期の属する月以前2年間平均が加わり、5つの株価のうち最も低い株価を選択できることとなりました。
これにより、上場企業の株価変動が中小企業の評価に与える影響が小さくなる効果があります。
《改正前》
次のうちいずれか低い金額
・ 課税時期の属する月の株価
・課税時期の属する月の前月の株価
・ 課税時期の属する月の前々月の株価
・ 課税時期の前年の株価の平均株価
《改正後》
次のうちいずれか低い金額
・課税時期の属する月の株価
・課税時期の属する月の前月の株価
・課税時期の属する月の前々月の株価
・課税時期の前年の株価の平均株価
・課税時期の属する月以前2年間の平均株価
② 類似業種の上場会社の配当金額、利益金額及び純資産価額(帳簿価額によって計算した金額)は、連結決算を反映させたものとなりました。
上場会社は連結決算後の金額を公表することが義務づけられていて、その金額は投資をする上で重要な要素であることから、より適正にその会社を評価することが出来ると考えられます。
③ 類似業種の上場株式の配当金額、利益金額及び純資産価額(帳簿価額によって計算した金額)の比重が、1:1:1となりました。
利益が評価額に与える影響が低くなるため、業績の良い企業については改正前より評価額の上昇を抑えられる効果があります。
《改正前》
《改正後》
会社規模の判定の見直し
評価会社の規模区分の金額等の基準について、大会社及び中会社の適用範囲が拡大されることとなりました。
これにより、今までより大きな会社区分に該当することとなれば、類似業種比準価額の割合が上昇し、株価が低くなる可能性があります。
① 従業員数100人以上の会社は大会社
→従業員数が70人以上の会社は全て「大会社」となります。
② 従業員数が70人未満の会社は、規模区分の金額等の基準について下記の通りの改正が行われ、取引基準か従業員数を加味した総資産基準のいずれか上位の区分により判定されることとなります。
適用時期及び留意点
ここで気をつけたいのが適用時期です。平成29年1月1日以後の相続、遺贈又は贈与により取得した非上場株式の評価に適用されます。
発表は平成29年5月でしたが、平成29年1月1日から遡及適用となり、救済措置はない点についてはご注意ください。
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遺産総額 | 報酬額(税込) |
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198,000円~ |
5,000万円超 6,000万円以下 |
275,000円~ |
6,000万円超 7,000万円以下 |
385,000円~ |
7,000万円超 8,000万円以下 |
495,000円~ |
8,000万円超 1億円以下 |
605,000円~ |
1億円超 1億5,000万円以下 |
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1億5,000万円超 2億円以下 |
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